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ニューヨーク・シカゴが導入した「スマート・ラットマップ」とは

データでネズミの「次の出没地」を予測する

「ネズミがどこに出るかを事前に予測して、先手を打って対策を講じる」——そんなアプローチが、アメリカの大都市で実用化されています。鍵となるのは、市民通報データ・行政の点検記録・地理情報などを組み合わせた「スマート・ラットマップ」です。

ニューヨーク市の取り組み

ニューヨーク市では、住民が困りごとを報告する「311」コールセンターへのネズミ関連通報が年間数万件に上ります。この通報データは位置情報とともに記録され、市のオープンデータポータルで一般公開されています。

保健局はこのデータを活用して、ネズミの発生が集中しているエリアを地図上で把握し、重点的な毒餌の設置や巣穴への直接介入に役立てています。研究者たちも同データをもとに機械学習モデルを構築し、「どのブロックで次にネズミが増えやすいか」を予測する試みが続けられてきました。

2023年に「ラット・ツァー(ネズミ対策統括官)」が新設されてからは、こうしたデータ活用がさらに体系的に進められています。

シカゴ市の予測モデル活用

シカゴ市でも同様のアプローチが取られています。311への通報データをもとに、機械学習を使って「どのブロックで数日後にネズミ関連の苦情が発生しやすいか」を予測するモデルが開発されました。

このモデルは防除チームの巡回ルートの優先付けに活用されており、「すべての場所に均等に対応する」のではなく、予測に基づいてリソースを集中させることで、限られた人員と予算での効率的な対策が実現しています。

市民通報が「地図の精度」をつくる

ニューヨークとシカゴの取り組みに共通しているのは、市民一人ひとりの報告が地図の精度を高め、行政の対策に直結しているという点です。専門家だけが情報を持つのではなく、日常的に街を歩く市民が気づいた情報をその場で報告できる仕組みが、リアルタイムに近い状況把握を可能にしています。

日本でも同様の仕組みが広がれば、地域の実態に即した害獣・害虫対策につながるデータが蓄積されていきます。お近くで気になる目撃情報があれば、地図への投稿が積み重なりの一歩になります。

あなたの地域の害虫・害獣出没状況を地図で確認できます

地図で目撃エリアを確認する

気になること

ニューヨーク市のスマート・ラットマップとはどのようなシステムですか?

住民通報システム「311」への年間数万件のネズミ関連通報データを位置情報とともに記録・地図化したシステムです。市の保健局がこのデータを活用して目撃エリアへの重点対策を実施し、研究者も機械学習モデルで「次にネズミが増えやすいブロック」を予測する試みを続けています。

シカゴ市ではネズミ対策にどのようにデータを活用していますか?

311への通報データをもとに機械学習を使って「どのブロックで数日後にネズミ関連の苦情が発生しやすいか」を予測するモデルを開発しました。このモデルを防除チームの巡回ルートの優先付けに活用し、限られた人員と予算で効率的な対策を実現しています。

市民の通報データが害獣対策にどう貢献するのですか?

専門家だけが情報を持つのではなく、日常的に街を歩く市民が気づいた情報をその場で報告できる仕組みが、リアルタイムに近い状況把握を可能にします。通報が地図上に積み重なることで地図の精度が高まり、行政の対策に直結するデータ基盤が形成されます。

日本でも同様のデータ主導型ネズミ対策は実現できますか?

技術的には可能です。市民が目撃情報を地図に記録・共有する仕組みが普及すれば、蓄積されたデータをもとに発生が多いエリアの傾向分析や予測が可能になります。ニューヨーク・シカゴの事例は、市民参加型のデータ収集が地域の実態に即した対策の基盤になることを示しています。