シロアリとは? アリとの違い・被害サイン・対策の基本
床を歩いていて「なんだか沈むな」と感じたり、春先に家のなかで羽アリの群れに出くわしたり──そんな経験はありませんか?じつは、どちらもシロアリの被害が進んでいるサインかもしれません。シロアリは見えないところでじわじわと進行する害虫の代表格で、気づいたときには家の構造材まで被害が及んでいることも珍しくありません。
シロアリってどんな虫?
シロアリは木材を主食とする社会性昆虫で、家の柱・土台・床下・断熱材など、セルロース(植物繊維)を含む素材を内側から食い荒らします。働きアリの体長は4〜7mmほど、体は乳白色で柔らかく、強い日光や乾燥を嫌います。一年を通して活動するため、気づかないうちにじわじわと被害が広がっていく特徴があります。
「アリ」と名前が付いていますが、じつはアリの仲間ではなく、ゴキブリに近い昆虫です。分類学上はゴキブリ目シロアリ科に位置づけられており、本来は森の倒木を分解する重要な役割を担う生き物です。それが人間の家屋の木材まで食害してしまうことで、害虫として問題視されるようになりました。
アリと見分けるポイント
シロアリと黒アリ(クロアリ)は、特に春先に飛び立つ「羽アリ」の時期に間違えやすいです。次の3点を見比べると判別できます。
- 触角 ── シロアリはまっすぐで数珠状、黒アリは「く」の字に折れ曲がっています
- 胴体のくびれ ── シロアリはずん胴、黒アリは胸と腹のあいだがはっきりくびれています
- 羽の長さ ── シロアリは前後4枚の羽がほぼ同じ長さ、黒アリは前羽のほうが大きいです
家のなかで羽アリを見つけたとき、「これがシロアリかただのアリか」を判断するには、この3点だけでもチェックしておくと安心です。
日本に多いシロアリの種類
日本の家屋に被害を出すシロアリは、おもに次の3種類とされています。
- ヤマトシロアリ ── 北海道北部を除く日本全国に分布。湿気の多い場所を好み、床下や水回りから被害が始まりやすいタイプです。羽アリは4〜5月の昼間に飛び立ちます
- イエシロアリ ── 関東以西の暖かい地域に分布。水を運ぶ習性があるため、乾いた木材まで食害でき、被害が大規模になりやすいとされています。羽アリは6〜7月の夜間に飛び立ちます
- アメリカカンザイシロアリ ── 海外からの輸入家具などとともに侵入したと考えられている乾材性のシロアリ。床下だけでなく、屋根裏や家具まで被害が広がる点で従来種とは性質が異なります
地域や住まいの環境によって、どのシロアリが問題になるかは変わってきます。
被害に気づくサインは?
シロアリの被害は表面に出にくく、気づいたときには進行しているケースがほとんどです。次のようなサインを見かけたら、床下や水回りを確認してみましょう。
- 蟻道(ぎどう) ── 基礎コンクリートや柱の表面に、土が細く固まった筋が伸びている。シロアリが乾燥を避けて移動する通路です
- 羽アリの大量発生 ── 春から初夏の決まった時期、室内や玄関先で羽アリが群れているのを見かけた
- 床のフカつき・きしみ ── 床板や畳を踏むと沈む、明らかに音が変わってきた
- 木材を叩くと空洞音がする ── 表面はきれいでも、中が食われている可能性があります
- 砂粒のような糞 ── 窓枠の下や畳の縁に細かい粒がたまっている(アメリカカンザイシロアリの特徴)
特に蟻道はシロアリの存在を示す決定的な手がかりです。床下点検口から覗いてみて、基礎部分に土の筋が伸びていないか、一度確認しておくと安心です。
自分でできること・プロに任せるべきこと
シロアリ対策には、被害が出る前にできる予防と、被害が出てからの駆除があります。予防の段階であれば、自分でできることもいくつかあります。
- 床下の換気を良くする ── 湿気がこもるとシロアリが寄りやすくなります。換気口がふさがっていないかチェックしておきましょう
- 雨漏りはすぐに直す ── 木材が湿った状態を放置しないことが大切です
- 家のまわりに木材を置きっぱなしにしない ── 古い材木・段ボール・廃材は、シロアリの足がかりになります
ただし、すでに蟻道や羽アリで被害の兆候が出ている場合は、専門業者に任せるのが確実です。シロアリの巣は壁の中や床下の見えない場所にあり、市販の殺虫剤を表面に撒くだけでは根絶できません。中途半端に対処すると、生き残った個体が別の経路に巣を移し、かえって被害が広がるケースもあります。
無料の現地調査に対応している業者も多いので、被害が疑われる段階で複数社に見てもらうのが安心です。費用感や業者の選び方は駆除業者の選び方、見積もり時の注意点は害虫駆除の見積もりで注意したい6つのポイント、悪徳業者を避けるための知識は害虫駆除の悪徳業者を見抜く方法もあわせて参考にしてください。
シロアリ自体は地図に投稿される害虫の対象外ですが、お住まいの地域でどんな害虫・害獣の傾向があるかは地図でも確認できます。引越し前の物件チェックや、周辺環境の把握に役立ててみてください。